1番近くて、1番遠い。

康介、と呼ばれた人は黒縁メガネと不織布マスクをしており教室の隅で読書をしていた。


「そ、それに丸田さん、その隣の人は…?」


「ああ?転入生だよ転入生。逆らったら殺されるから注意しろな?」


「て、転入生!?」


励衣はどんな誤魔化し方をしているのだろう。


「知ってるんなら吐け」


「ぼ、僕は知らないよっ」


「チッ」


ほんとに励衣は元(?)不良なんだなと思う瞬間だった。


「片っ端から探すぞ。おい、美柑も下っ端出したほうがいいんじゃねーの?」


「…そうだね」


私はスマホを出して、茉響に電話をかける。


「茉響?」


『もしもし、なんですか?』


「真凜ちゃんがなんか巻き込まれたらしい。出る準備をして、3人だけ見回りに出させて。幹部じゃないよ、下の子。見つかるまで
帰れないと思いなさい」


『りょ、了解しました!』


「分かり次第連絡する」


『はい!』


そして電話を切った。


「私らも出かけるよ!」


「励衣。あんたは絶対裏切ってないし、裏切らないね?これは最終確認だ」


「そうだな。こんなんでも、ちゃんとした両親に育ててもらった子供だ。美柑を決して裏切らないことを約束しよう」


「…よろしく」