1番近くて、1番遠い。

「で、どうなの?」


こんなところで言うものなのか。


だけど、その口調に偽って言うことはどうしてもできなかった。



「好き…、だよ。音葉くんが」



言ってしまった。


逆らうことができなかったとは言え、シチュエーションはどうなのだろうか。


すると、クスッと笑う音葉くん。


なんで笑ったのかな、なんて思うと次の言葉を発した。



「うん。俺も桜宮好き」



そう言って強く抱きしめる音葉くん。


…え?


横を見てみると、嬉しそうに音葉くんが笑っている。


…う…、よくこんなに綺麗に笑えるな…!?


「あ、遊んでるとかじゃない、よね?」


「遊ばねーよ」


断言してくれたので安心感で包みこまれた。


「でも…、まだ付き合いことはできない」


「そう、だな。親に説得でもしないと」


「うん」


私と音葉くんはこの身分の上で交際なんてすることができない。


「まだ内緒な?」


「分かった」


これが初めて交わした、音葉くんとの秘密の約束だった。