1番近くて、1番遠い。

「は?」


音葉くんの声が急に怖くなった。


「そこでそんな大事にしたくないから助けを呼んだら志連くんが助けてくれたっていう、別にそんなに、」


そこまで言うと、私の体は右に寄った。


「ごめん」


音葉くんが横から私を抱きしめたのだ。


「やっぱ、1人で行かせるんじゃなかった」


「いや、大丈夫だよ…」


この体勢の方が問題です…!


顔が近いので耳元で囁かれる感じになるし、何より抱きしめられてるってのがすごく恥ずかしい…っ!


「桜宮ってさ」


「ん?」



「ほんと、俺のこと好きだよな」



「…はい!?」


「なんでこんなに赤くなんの」


「うっ…」


まさかこんなことを言ってくるなんて誰が予想できただろう。


「これ、ちゃんと違った場合も対応してるから」


「ん?」


「別に桜宮が俺のこと好きじゃなくてもこの体勢にちゃんと意味はあるから」


なんだその、意地悪な返しは。