1番近くて、1番遠い。

「…全部もらっていい?」


音葉くんが少しニヤッとしてこう言うので私は


「だ、だめっ」


と、咄嗟にいちごオレを奪い取る。


「いちごオレに対する執着心がすごいわ」


「そ、そんなほどじゃ…」


音葉くんが曲げている膝に肘をつき、微笑みながら私を見るので私は無意識に俯く。


「まあ、特別なのがあるっていいよな」


「そうだね」


私が引き続きいちごオレを飲んでいると音葉くんの口調が急に真剣になった。


「…さっき、何があった?」


「だから、何も…」


「言って」


その声に逆らうことはできなかった。


「軒元くん…、名前はよく分からないけど、その人がなんか、えーっと…」


「うん」


「手首を持って自動販売機に押し付けてきて」