1番近くて、1番遠い。

「桜宮?」


突然、志連くんがひょこっと飛び出してきたかと思うと、この状態に気づいたわけで一瞬目を見開いた。


「…おい」


私の手首から一瞬で離す。


「…し、志連!?」


「何しようとした?」


声がとにかく低かった。


「い、いやなんでもないから!」


「手出したら生きて帰されないからな?」


その言葉と迫力で何かを悟ったのか軒元くんは走って行った。


「…なんで呼んだの?」


志連くんは突然ケロッとして私に聞く。


「大事(おおごと)にはしたくなかった」


「もうなっててもおかしくないけどなぁ」


軒元くんが言い散らかすか黙っておくか。


「んで、音葉に買うんじゃなかったの?」


「そうだった」


さっき選ぼうとしたのを妨害されてしまったわけだから。


「うーん…」


と思って私はレモン味の炭酸にした。


「…レモン?」


「暑いだろうから」


「気が効くんだな、桜宮って」


「いちごオレは私みたいに頻繁に飲まないだろうから」