1番近くて、1番遠い。

「さむ」


濡れているわけで私はこう声を上げた。


「これ着とけ」


音葉くんは、最初にかけてくれていたパーカーを差し出した。


「あ、ありがとう」


私が取ろうとしたら避けられたので一瞬きょとんとしてしまう。


音葉くんはくるっと私の後ろ側に周り、着させてくれた。


「う…、あ、ありがとう」


「ん」


なんだよその気遣い…!ドキってしちゃうじゃんか…!


「うわぁ…、伝説の両片思いほぼリア充がイチャついてはるよ」


こっちに来た軒元くんがこう言う。


「うるさい」


一括する音葉くん。


「おいおいっ!お前は急に怖くなるのやめろ!?」


志連くんが肩を叩いて誤魔化す。


「…悪い」


「い、いや別に…」


軒元くんが音葉くんの急変ぶりに驚いている。


「ま、志連!行くぞっ」