1番近くて、1番遠い。

「…それに。美柑ちゃんにあそこまでするとは」


「掘り出してくるな!」


少し顔が赤くなっている。


「それを五橋に見られたらどうなることか。弱点みっけ」


「…志連にも同じようなこと言われた」


同じようなことって…、五橋のことか弱点のことか…?


五橋のことだったら元々互いに知っていたことになる。


「それにしてもなんでこんなに大人数で襲ってくるんだ。最初一応制覇しようとして行こうと思った直前で5組ぐらいが来た。こ
れは普通に考えたらおかしいし、今この4グループが揃ってることもおかしい」


「七尾を制覇したかったんじゃないの?」


「誰がさせるか」


音葉はニヤッと、イケメン特有のキラキラ(?)スマイルを顔に浮かべる。


「ここは俺が1位を取ったんだ。そう簡単に奪われるわけがない」


「美柑ちゃんってそう言うキャラ好きだったっけ?」


私がそう言うと怯むかと思いきやふっ、と笑みを浮かべた。


「桜宮だけは絶対に離さない。俺が死ぬ場合としても」


「そのくらいの覚悟じゃなきゃあたしが横取りするから」


「させねーよ。…絶対に好きにさせてやる」


「…あんたってそーゆーとこなんか、うーん。かっこよくてイラつくんだよね。あ、タイプの真逆があんただけど」


「ごめんな、志連じゃなくて」


「ほんとだよ!」


すると音葉はまたもやニヤッと笑った。


「吐いたな」


「~っ!最っ低!」


「なんとでも言ったらいい。俺には敵わない」


そう言って音葉は振り向く。


そう言われると何も言葉が出てこない。


「美柑ちゃんに嫌われるよ!」


私の最終手段は美柑ちゃんしかないのだ。


「…そう、だな」


さっきと同じ質問のはずなのに、少し寂しさが掛かった笑顔で応えられた。





紅蓮、五橋レディース第2位・黒虎(こくこ)制覇。