1番近くて、1番遠い。

「通りすがりの不良。別に何にもしないから大丈夫」


「ふ、りょう?」


この子はなんでこんな時間に外に歩いてるんだろう。


…元を言えば私もだけど。


「桜宮さん?」


この子、クラスメートだ。


突然のことに私は動揺するも首を横に振る。


「…私はその桜宮さん、って子はじゃない。分かんないけど、他の人の名前が分かるってことは大丈夫そうだな」


早いうちに家に帰って、と言い残して通り過ぎる。


そして少し離れたところで志連くんが私に話しかける。


「クラスメートの皆川(みながわ)だよな?」


「よく分かんない」


「クラスメートに見つかったら厄介なことになるわなぁ」


俺も気をつけないといけない、なんて言いながらポツリポツリと歩く。


「不良がこんな話してていいのかな?」


「誰にも聞かれてないだろ」


「いや、どっかいるよ?多分」