1番近くて、1番遠い。

私は耳につけていた無線をとんとん、と指で叩いてこう言う。


「…茉響(まゆら)。佐沢(さざわ)公園周辺に行って」


『はいっ!人数はどうしますか?』


「5人残して他は行って。早めにね」


『了解ですっ』


「紅蓮は?まだ陣地に残ってる?」


「ま、まあね」


私は亜湖に聞いた。


「佐沢の方に私らの行かせたから良かったら合同して。あの子たちも女の子だからそんなに強くはない」


「…あなたも女の子なんじゃない?」


こう亜湖が聞く。


「私は違う」


「…分かった。行かせる」


すると亜湖はスマホを出して電話をかける。


「うん、そう。ちょーっとの間だけ協力ね。よろしく」


そう電話している隙に私は歩き出す。


「奥にもまだいるだろう。逃げきれてない住民のことを忘れてないか?」


私はそこらのものに話しかける。


「確かにな。…ったく、なんか調子狂う」


「…同感」


まるで、元々知ってたように親しい感じで話している。


いつお互いのことを知ったのだろう。