1番近くて、1番遠い。

「山内」


音葉くんが低い声でそう呼んだ。


迫力が半端ない。


「そんなのでも、中は笑ってるんだろ」


「この状況で笑えるわけないだろ!」


すると、音葉くんはポケットをゴソゴソ漁る。


「だって、お前のやったことに根拠がないからな。そうだろ?」


そうだ、証拠がない。


「でも、それがあるんだよ」


ポケットから出てきたのは録音機。


「序盤の分だけ勝手に録音させてもらった」


「お前っ!」


そう山内が暴れようとするのを志蓮くんが抑える。


「しかも、あんた、2つの学校にいたんでしょ?警察に問われるわ問われるは大変だねぇ」


さらにさらに追い打ちをかける亜湖。


「さあ、どうして欲しい?ここで、私が殴ってやってもいいし、警察に突き出してやってもいい。それとも、校長が来るのを待と
うか」


「それに拒否権は、」


「「「「あるわけがない」」」」


山内は観念したようだった。


そして、この倉庫に校長が来た。


何回見ても校長の見た目じゃない…。


「琉。コイツは?」


「音葉の録音見たら分かるよ」


音葉くんが録音機を渡す。


「まっさか、この3人だったとはね」


校長が驚いたよ、と笑いながら言う。


「詳細は話せる限り話します。…なんで、今日のところは…」


音葉くんが珍しくモゴモゴ言っている。


「もちろん、見逃すよ」


「「「ありがとうございます!」」」