1番近くて、1番遠い。

「もう、なんでもいい。黒鶫なんか、負けてもいいから、」



「こんな抱きしめる権利もない俺に桜宮の隣にいる権利をくれ…!」



私の肩に水がぽたり、と落ちた。


涙、か。


「音葉くんには、私の横にいる権利しかありません…っ」


私がそういうと、私の頭に手を添えて、なんというか、大切にするような人への接し方だった。


「お〜いおい。ここに来てそれか?」


麗と同じような取り巻きがそう言う。


「志蓮くんよ」


「なんだい?巫さん」


「ウチの第1位の危機ですぜ?」


「弱ってますね?」


弱ってはないっ!



「と言うことは今動けるのは私と志蓮くんなわけです」


「ちょーっと、助けてやりましょうかね?」


「そうしましょう!」


と、亜湖と志蓮くんの茶番が終わったと思いきや、2人が包んでいた衣装が変わった。


そう、山吹色と紺色の特攻服を纏った。


「さあ、裏切り者。かかってこれるんならさっさと来なさい!」


「俺の下にいたんだ。俺の方が強いことは明白なんだよっ!」


なんとカッコつけたセリフなのだろう。


「今失礼なこと思っただろ」


上から音葉くんにそうツッコまれる。


「私、行くよ」


「…本当に、大丈夫か?」


「威力はすごかったけど、こんなので倒れてたら閃光終わっちゃうから」


そっか、と安心したような目を向ける音葉くん。


「これが終わったらの話だけど、時間取れる日がある?」


「え?あ、うん。大丈夫だけど」


「ありがとう」