家に帰り、保育園から帰ったあやめと仕事から帰った両親と、秋人からもらった洋服を畳に並べ、さっそくファッションショーをしていた。
ゴールデンファミリーのトップスと、チェック柄のフリルスカートを着たあやめは、姿見の前でぴょんぴょん跳ね、大興奮状態だ。
「うさたんとりすたん、かわいいーー!!」
「あやめ、ちょっと落ち着きなさい。ほら写真撮るから、ピースして」
「ぴーす!!」
腰に手を当て、右手で小さなピースを作っているあやめを撮影していると、背後から父の恍惚としたため息が聞こえてくる。
「なんでうちの孫はこんなに可愛いんだ? ちょっと待って、じぃじのスマホも持ってくるから、着替えるのは待った」
「もー大丈夫よ、あとでLIMEに送るから。お父さん、写真ぶれちゃうでしょ」
「いやいや、LIMEは操作が難しくて、面倒臭いんだよ」
「もうほんと、お年寄りは困っちゃう。あんな便利なアプリないのにねぇ」
父と二歳しか違わない母が呆れた声を出すと、ぽんっと私の肩に手を置いてきた。
「ねぇ、これって超ハイブランドよね。もしかしてお洋服をくれたお友達って……葛城さん?」

