「あやめの服を!? もしかしてこのショッパーたちは……」
「ああ、そうだ」
平然と秋人はそう言うと、はさみで袋の口を止めていたテープを次々と切っていく。
デスクにずらりと並んだそれらはよく見ると、
葛城堂のような百貨店に入っている子供服のハイブランドのロゴが入っていた。
ネットや雑誌で見にしたことがあるだけで、私は実際に購入したことはない。
「サイズは平気か?」
「う、うん……! あやめは平均より少し大きいくらいだからジャストかな」
「それはよかったよ。アウターだけは、また来年も着れるように少々大きめにしておいた。それに動きやすいしな」
そのきめ細かな気配りに、秋人は父親になったことがないのに、と少々驚いてしまう。
九十センチから百センチのものが、アウターやトップス、ボトムスを含め十着以上はある。
お弁当の具の絵柄が入った靴下もあったりして、あやめが喜ぶ顔が安易に想像できた。
「わぁ~……すっごい可愛い! あやめの好きなゴールデンファミリーのキャラクターコラボのものもある……!」
ゴールデンファミリーは、あやめがいつも父と家で遊んでいるミニチュアフィギュアの動物たちだ。
子供たちの間で人気が爆発しており、洋服店とのコラボ商品が出てもなかなか手に入らず、あやめに毎回怒られている。
「これは人気なようだな。まだ店頭に並ぶ前のものだったが、店員が取り置きしてくれていたんだ。それで、あやめちゃんはどのキャラクター好きなんだ?」
「ここにあるうさたんかな。んんー……でも、りすたんも同等かもしれない」

