「……っ!」
チェリームスクの濃厚な香りに包まれ、鼓動が高鳴る。
わずかに視線を上げると、彼は先ほど握った手で私の頭を優しく撫でた。
「可愛い結愛。君にはずっと笑っていてほしい」
「秋人……」
頬が熱くなり、胸がきゅんと締め付けられる。
彼からしかもたらされることのないこの幸せを拒否することは、自分への拷問だ。
すると秋人は甘い余韻を残して私から離れる。
デスクの裏に回った彼は、箱のようなものを足元から引き出した。
「今日は午後から仕事が立て込んでいて、君には会えないと諦めていた。だが、本当に幸運だった」
その箱から、次々とショッピング袋をデスクに置いていく。
その中の小さな紙袋を私に差し出した。
「これは……?」
「結愛への誕生日プレゼント。花束はもしかしたら引かれるんじゃないかと思って、やめておいたよ」

