十一月二十日の結愛の誕生日。
営業時間が終わるタイミングを見計らい、俺は二十一本の真っ赤な薔薇を持って花屋にやって来た。
結愛は俺から花束を受け取ると、心底嬉しそうに笑い頬を上気させる。
その表情を見て、迷いなど完全になくなった。
この笑顔を自分のものにしたい――。
『薔薇は、あなたが好きですって意味……だろ?』
『え?』
俺がそう告げた途端、彼女は時が止まったように、瞬きせずこちらを見る。
『結愛のこと、気づいたら好きになっていた。俺と付き合ってくれないか?』
『…………』
しばらく黙っていた彼女は少しずつ状況が呑み込めてきたようで、ぎこちなく俺から視線を逸らす。
『えーっと……葛城さんが私を好き? え、どうして? 周りに素敵な女性はたくさんいるのに……』
『俺にとってどんな美しい女性よりも、結愛が一番可愛くて綺麗で魅力的だ。誰にも渡したくない』
目の前で顔を真っ赤にする彼女を見てよけいに庇護欲をくすぐられてしまい、そんな言葉を口走った気がする。
結愛は何度も『本当に?』と聞いて信じられないようだったが、ついに照れながら視線を合わせてきた。
『わ、私も葛城さんのこと……前から気になってました。こんな私でよければ……』

