家に帰ると、すでにあやめは眠っていた。
一通り寝る準備を済ませ、早々に布団に入る。
明日は朝六時に起き、九時に葛城堂に現地集合だ。
先程母から聞いたけれど、明日は休日なので、あやめといっしょにバレンタインイベントに遊びに来てくれるらしい。
もしかしたら家族で葛城堂で顔を合わせることもできるかもしれない。
楽しみ。家族で写真も撮れたらいいなぁ……なんて。
まだ興奮は収まらないけれど、無理やり瞼を閉じる。
明日、秋人はオープン前に、関係者の方にお披露目に回ると言っていたっけ。
何時ごろからお店にいるんだろう。
そのときに、雪平さんも来るのかな。
日中は作業に集中するために考えないようにしていたけれど、心の端ではずっと雪平さんのことが気がかりだった。
さっきの意味深な言葉はなんだったのだろう。わざわざ私にだけ聞こえる声で……。
『瀬名さん。あなたの実力がどれほどな物か、この目にしっかりと焼き付けるわね……?』
また私に何か攻撃をする気なのだろうか。だったら、どうやって?
急に不安になってきて、布団を勢いよく被った。
やめよう、よけいなことを考えるのは。
けれど……眠りに集中しようと必死に言い聞かせても、いっこうに胸騒ぎが収まらない。
不安だよ、秋人……雪平さんが怖い。
彼女が何を考えているのか分からない。
スマホ画面を点灯させると、時刻は丑三つ時を指していた。
申し訳ないと思いながら秋人に起きているか、尋ねてみる。
すると【どうした?】とすぐに返事がやってきた。

