秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています


頭上から降ってきた甲高い声に、金縛りにあったように体が動かなくなった。

心臓が不規則な音を立て、血の気が引いていく。

「雪平さん」

「元気だったかしら?」

その場でしゃがんでいる私を、雪平さんは不敵な笑みを浮かべて見下ろしている。

すぐ後ろで、イベント企画部の吉田さんが店長に話しかけているのが見えた。

以前葛城堂で会ったときもそうだった。彼女は吉田さんとともによく行動しているのだろう。

「……はい。おかげさまで」

エプロンに乗っていた花びらを掃い、その場に立つ。

いったい何を言われるのだろうと、緊張で胸が痛い。

雪平さんは秋人に好意があったけれど、秋人はこの三年間完全に拒否をしてきたと聞いていた。

そして……以前、貴船フラワーにやってきて秋人と交際しているような嘘を私についたことも、全部明らかになっている。

彼女は私が疎ましくて仕方がないだろう。

雪平さんは私を見てくすりと鼻で笑った後、私の後ろに設置されていたオブジェに視線を投げた。

「明日、私もお父様たちとイベントにくる予定なの。楽しみにしているわね」

「ありがとうございます」