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秋人とデートを楽しんだ、数日後……。
私は銀座葛城堂の本館七階に、同僚たちとやって来ていた。
十一月から計画していた、バレンタインイベントのフォトスペースの設置を行うためだ。
「では、二日間気合入れて、いいものを作っていきましょう!」
「はい!」
プロジェクトのリーダーである前田さんの声掛けに、他のメンバーとともに答える。
生花を使うので、イベントが始まる直前に作業を開始するため、急ピッチで作業を進めていかなければならない。
メインとなるハートの大きなオブジェは三つあり、それらは店長やベテラン勢の先輩たちが飾り付けをしてくれている。
私はオブジェの周りを飾るミニブーケ担当だ。
白バラや真っ赤なグロリオサ、ベビーピンクのガーベラをバランスよく束ね、既に設置されてある大きな枠板に透明な糸で吊るす。
遠くから見ると、ハートの周りで花たちが飛び交っているように見える演出になっており、これは私がアイデアを出して採用してもらったものだ。
「瀬名ちゃん。このフォトスペース、彼氏も観に来るんでしょ?」

