お皿に盛りつけた肉じゃがをリビングに持っていくと、先ほど職場から帰ってきたばかりの父があやめといっしょに畳に置いたミニチュアハウスを囲んでいた。

ふたりはそれぞれ手に持った動物のフィギュアをミニブランコに乗せられているのが見える。

「りすたん、うさたんブランコ飽きた。滑り台に移動!」

「はいはい」

父はあやめのわがままに呆れたようなため息を吐くも、顔は幸せそうに微笑んでいる。

初めこそ私の出産を大反対していた父だったけれど、あやめが生まれてきてから溺愛状態だ。

職場から帰ってきたらすぐに彼女のところに行き、慣れない人形ごっこに付き合うのが日課になっているくらい。

「お父さん、あやめ! 夕飯の準備ができてるから、そこのお家お片付けして」

「やぁだ、やぁだ!」

「あやめ、夕飯を食べ終わったら続きをしよう。ご飯はしっかり食べないと元気がでないよ」