「嫌がらせ始まったのは10日ほど前だ。その頃何か変わったことは無かったか?」
変わったことと言われても・・・
「少し前に、彼女の子供が熱を出して病院に連れて行った。あとは・・・田所大臣の所の絢子さんと約5年ぶりに再会した。それくらいだ」
これと言って沙月が被害にあうような事件はなかったはずだ。
「ところで、お前は田所大臣の娘の絢子さんと付き合っているのか?」
「なんだよ、いきなり」
5年前、アメリカ支社のトラブル収集のため渡米する直前の俺は、絢子さんと何度か会っていた。
三朝財閥の人間でいる以上結婚相手とは家どうしの付き合いも重要になる訳で、親父が俺の相手として勧めてきたのか絢子さんだった。
当時の俺は沙月と付き合ってはいたが、彼女がまだ学生だったこともありすぐに結婚を切り出せる状況ではなかった。
あと数年して沙月が結婚を考える年齢になった時、両親にもきちんと紹介して結婚話を進めるつもりでいた。
いくら親父が勧めたとは言え、沙月がいるのに絢子さんと付き合っていたつもりはない。
ただ、親父や田所大臣を交えて何とか食事をしたし、絢子さんからも連絡をもらうようになっていた。そんな会食の場面を写真週刊誌に撮られ、婚約者だと報道されていた事は事実だ。
しかし、俺に絢子さんと付き合う意思はなかった。
変わったことと言われても・・・
「少し前に、彼女の子供が熱を出して病院に連れて行った。あとは・・・田所大臣の所の絢子さんと約5年ぶりに再会した。それくらいだ」
これと言って沙月が被害にあうような事件はなかったはずだ。
「ところで、お前は田所大臣の娘の絢子さんと付き合っているのか?」
「なんだよ、いきなり」
5年前、アメリカ支社のトラブル収集のため渡米する直前の俺は、絢子さんと何度か会っていた。
三朝財閥の人間でいる以上結婚相手とは家どうしの付き合いも重要になる訳で、親父が俺の相手として勧めてきたのか絢子さんだった。
当時の俺は沙月と付き合ってはいたが、彼女がまだ学生だったこともありすぐに結婚を切り出せる状況ではなかった。
あと数年して沙月が結婚を考える年齢になった時、両親にもきちんと紹介して結婚話を進めるつもりでいた。
いくら親父が勧めたとは言え、沙月がいるのに絢子さんと付き合っていたつもりはない。
ただ、親父や田所大臣を交えて何とか食事をしたし、絢子さんからも連絡をもらうようになっていた。そんな会食の場面を写真週刊誌に撮られ、婚約者だと報道されていた事は事実だ。
しかし、俺に絢子さんと付き合う意思はなかった。



