再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~

「とりあえず、俺の方でも調べてみるよ」
「悪いな、頼む」

弁護士の慎之介にこんなことを頼むのも違う気がするが、個人的な問題である以上あまり表立っては動けない。
だからと言って得体のしれない人間に託すこともできず、俺は慎之介を頼ることにした。

「彼女の周りで今何が起きているのかを調べればいいんだな」
「ああ」

俺の感情から言うと、沙月の恋人のことも気になるし、子供の出生だってはっきりしたいと思う。
でも、今は沙月の抱える悩みを知ることが優先だろう。

「実は子供の通う保育園もうちの取引先で、園長とも知り合いなんだ。だからもし何か特別なことが起きていればすぐにわかるはずだ。わかり次第知らせるよ」
「すまないな、助かる」

彼女が悩んでいるとすれば子供のことか、家族のことか、恋人のこと。
たとえどんなことであっても、俺が沙月を守ってやる。
そして、奪い返すんだ。