手の平にのっていたのは──青いビー玉。

「ララちゃんのハーツだよ。これを最初に、人形の中に埋め込んた人が、持ち主になる。やっぱり、ララちゃんの持ち主は、君じゃないとね」

「あ、うん」

 受け取ったハーツは、とても小さかった。

 だけど、これがララの命で、絶対に傷つけちゃいけない大事なもので、そうおもったら、なんだかすごく重く感じた。

「あと、ハーツが出てきたのは、ララちゃんが命が欲しいと願ったから。だけど、ララちゃんが君を守ってくれるかは、今まで、君がどう接してきたかによるよ」

「え?」

「乱暴に扱って来た相手を、守りたいとは思わないでしょ? 人形も一緒だよ。君がこれまで、ララちゃんを大切に扱ってきたなら、もしかしたら、応えてくれるかもね」

 大切に扱ってきたなら──その言葉に、俺はララを見つめた。

 自分では、大切にしてきたつもりだけど、ララはどうなんだろう。

 俺が置きっぱなしにしたせいで、ミーに捕まって、やぶれちゃったことも何度かあったし、いつも暗い机の奥に閉じ込めてばかりだし、もしかしたら、嫌な思いをいっぱいさせてたかもしれない。

「あと、今後は、肌身はなさず持ち歩いてね」

「え? なにを?」

「だから、ララちゃん」

 瞬間、言われた言葉に俺は目を丸くする。