「なんで俺のことも『久瀬くん』って呼ぶの?」 先輩は相変わらず答えないまま、靴を履き替えて、校舎の外に出ていく。 「あ、ちょっと待ってよ」 離れていく先輩の後ろ姿を見ながら、慌てて自分の靴箱に急ぐ。 先輩はグラウンド脇の別館のそばに座ってパンの包みを開いている。 隣に座って、俺もパンにかぶりつく。