心臓もとめる人体模型

慌てて呼び止めた私の声は洋子には届かず、そのまま走り去っていってしまった。

「えぇ……」

取り残された途端、真夜中の学校に忍び込んでいることを実感してしまう。

それに……。

周りに何かの気配が数個、集まってきている。

私は小さい頃から霊感、と言っても感じるだけのものだけど、があった。

だから、話を聞くのは好きだけど、その場に行くのは苦手なんだ。

でも、洋子にはその話してないからこうして無理やり連れてこられたんだけど。