-次の日-

私はクラスの前に立って深呼吸をする。


「よし」


_____ガラガラガラッ


あれ、リクトくんがいない。


「おはよう、リヨちゃん」


後ろから聞こえてきた声にビクッと肩を揺らす。

こ、この声…


「あ、おはよう。リクトくん」

「ちょっと良い?」

「…はい」


清々しいほど分かりやすい笑顔で、そう言ってきたリクトくんに苦笑いを浮かべる。

そして辿り着いた先は、前にリクトくんと話した資料室だった。


「ねぇ別に資料室じゃなくても…」

「チッ、そんな事より俺に言うことあるだろ」


あ、本物のリクトくんだ。ってそんな事、言ってる場合じゃない。めちゃくちゃ不機嫌な顔してる。


「ご、ごめんなさい」


私は勢いよく頭を下げ、謝った。


「俺が何に怒ってんのか分かってんの?」