放課後になり、私はリクトくんの席に目を向ける。

さすがモテ男、早くも女子に囲まれてる。

だけど、こっちだって負けてられない、絶対に私のことを好きにさせてみせるんだから!


「ねぇリクトくん、一緒に帰らない?」


私はリクトくんの席まで行き、そう言った。


「リヨちゃんから誘ってくるなんて珍しいね?良いよ、一緒に帰ろ」


キラキラした笑顔で私にそう言ったリクトくんに少しだけ胸をときめかせる。

昼休みのリクトくんとは思えないほどの変わりっぷりだ。

リクトくんは、私の手を取り不満そうな女の子たちから抜け出すように教室を出た。


「あー、マジでだるかった」


リクトくんは人気のない所まで来たと同時にそう口にした。


「そんなにダルいなら女の子に優しくするのやめなよ。自分で自分を苦しめてるだけじゃん」

「今さら、キャラを変える気なんてねぇよ」

「なんで?」

「うるせぇな、疲れるから喋んな」


な、何よ何よ!こっちは親切心で言ってあげてるのに本当にムカつくー!!!

校門をくぐり抜けリクトくんが足を止める。