リクトくんは女の子にいつもの笑顔を見せ、そう言った。

そして、ミクと呼ばれる女の子は不満な顔をして通り際に私を睨みながら資料室を出ていった。


「……女って単純だよね」

「え?」


突然、毒舌な口調で話し出すリクトくんに戸惑いつつも話に耳を傾けた。


「まぁ、良い暇つぶしにはなるけど」

「どうして… そんなこと言うの?」

「は?」

「リクトくんの事を心から大好きな人たちがいるのに、その人たちに失礼だよ」

「あーマジでだりぃわ。いるよねぇ、そういう人。正義感だけで生きてるクソしょーもねぇ奴ら」


私の言葉が変だったのかバカにするように笑いながら、鋭い目付きで私を見るリクトくん。


「じゃあ、私と付き合ってみませんか?」

「は?何言ってんの?俺のこと好きなわけ?」

「いいえ、ただ女の子を下に見てるリクトくんが許せないだけです」

「あーだる。それで?付き合ってどうすんの?俺がお前のこと好きになるとでも思ってんの?」

「好きにさせてみせます、必ず」


ってなに言ってんの私!!!だけど、もう後戻りは出来ない。このまま突っ走るしか……


「へぇ、おもしれぇじゃん。良いよ、付き合ってやるよ。その代わり俺たちのことは誰にも言うな。変な嫉妬とか見せたら即終了だ。分かったか?」

「わ、分かりました」


なんかよく分からないけど、モテまくりのリクトくんと付き合うことになりました。