「なるほどな」

「何よ!」

「ちょっと安心しただけだよ」


リクトくんに顔を向けて、そう言うとリクトくんはいつにも増して真剣な瞳で私を見ていた。


_____ドキンッ


「俺さ、ガキの頃から親が共働きで一人の時が多かったんだよ。それでその寂しさを埋めるために女遊びに走った。俺の顔とか俺の言葉で色んな女が喜ぶんならそれでも良いじゃんって満足してたつもりだったけど、お前に言われて気付いたんだよ」

「え、私は何も…」

「いや、お前のおかげだよ。自分のしてる事が間違ってるって気が付けた。ホントにありがとな」


リクトくんは優しく微笑みながら、そう言った。

その笑顔は今まで見たことのないリクトくんの “本当” の笑顔だった。


「好きだよ、リヨ」

「……っ」

「まんまと俺はお前を好きになった」

「それって…」


心臓の音がバクバクと鳴り止まない。


「俺と付き合ってください」

「……はい…っ」

「ははっ、なんで泣くんだよ」