リクトくんの背中からひょこっと出てきたのは、また知らない女の子だった。


_____ズキンッ


あぁ、今まで気付かないフリしてたけどもう止められないや。

ねぇリクトくん、いつの間にか私はリクトくんに恋をしてたみたい。

気になる彼から好きなアナタに変わる瞬間。


「っ!!」


私は、ビックリしているリクトくんの表情で自分の目に涙を浮かべていることに気が付いた。

そして、そんな私を心配そうに見つめるリクトくんに少し戸惑う。

彼は私の頭に手を伸ばそうとしていたが、それはあと少しの距離で止められた。


「……ごめん」


そう言ってリクトくんは、隣にいる女の子を連れて通り過ぎて行ってしまったのだ。

そして、プツンと糸が切れたように私の涙腺は崩壊していった。


「うっ… ヒック…ッ」


こんなんじゃリカに、また心配かけちゃうよ。

私は流れる涙を必死に拭った。