「ねぇねぇリクト、今日こそは私と遊んでよー」

「えぇ、ズルい。私とも遊ぼーよ!」

「なに言ってんの、私なんか半年も遊んでないんだよ?だから、絶対に今日は私と!!」

「あーごめん!今日は先約があるから」


取って付けたような薄っぺらい笑顔。

先輩から後輩まで幅広く人気のあるリクトくん。

噂では色んな女の子を取っかえ引っ変えしてるとか何とか……

2年のクラス替えで同じクラスになったは良いものの彼の行動はイマイチ読めない。

いつも女の子に囲まれて、男の子からもノリが良いと評判である。


「ねぇねぇ、リヨはリクトくんアリ?ナシ?」


1年の時からクラスが一緒で仲の良い親友のリカが笑顔で私にそう聞いてくる。


「どうって、別に何とも…」


なんて嘘だ、少しだけ気にはなっている。

たまにあの笑顔の裏には何が隠されているんだろうって、本当の素の顔を私だけが見てみたい、なんて欲張りに思うこともある。

それに… めちゃくちゃイケメンだし。


「えぇ、私はアリなんだけどなぁ」

「なに言ってんの。リカは、彼氏いるでしょ?」

「えへへ、冗談だよ〜!」


本当に冗談だったのか?マジに聞こえたけど。