「おいおい、そいつらの味方すんのか?学校一の王子さんよ」


「テメー、ぶっ飛ばされてぇーのか?俺の噂して騒ぎ立てて、迷惑葬ってんの知ってんのか?」


理央くんが不良を突き飛ばす。



周りにいた野次馬が、不良を避けた。



「有馬は俺が責任を持って、預かってるだけだ。別にやましい関係はない!!それに、俺真央のことは尊敬してるけど、興味ない!!これでいいだろ。余計な詮索したやつは俺がぶっ飛ばす」




恐れ慄いたギャラリー達は、そそくさと何処かに消えてゆく。



「おい有馬。大丈夫か?」




手を差し伸べてきた理央くん。




「え……あぁ……うん……」




その手を掴もうとしたけど………。




「どうゆう……つもりなの?理央くんは僕を陥れようと……してるのに何で?」




いつの間にか、拒んでしまっていて口からそんな言葉が零れ落ちていた。




「………悪かったと思ってる」




「悪かったって………それだけ?敬斗くんとかたくんでいたのに?」




完全に押し黙った。




「えっと……私、席外すね……。持ってくから……」



早々と逃げていく、真央ちゃん。



「……そういう、お前だって隠してることあるんじゃないの?」




「……僕がーーそんなこと……!!」




いや、そんな事はある。




本当に降りてきた理由は、理央くんの事が好きになってそばにいたいと思ったから故に、降りてきた。



その事実は揺るがないほどの、真実であることには変わりはない。




ーーでも……だからってこんな状況になって、教えたくはない。



だって、好きな人に意地悪をされて純粋に許せるほどの心の余裕があれば、人間界に降り立つこともないから。



そして、好きだと告白すればきっと拒絶されてしまうって考えがあって、恐ろしい。


これは身勝手な妄想で、感情なんだろうか。



手が震えて、心臓が獰猛のライオンのように暴れ出す。



「言えねぇーって事は、隠してることがお前にもあるんだな。それも相当な秘密って事だ」


「そんなの……理央くんに言われたくない!!」



「フェアじゃねぇーだろ!!お前だけ隠し事して、俺に口を割らせろって考えか!!」



「違う!!僕が今言いたいのは、そうゆうことじゃない!!」



「ならなんだよ!!お前を知らねぇーから、俺は怖いし、弟を遠ざけたいって思ってるのがどう悪いんだよ!!」




「人の気持ちを安安と憶測で、語らないでほしいって事と、人を利用して、痛めつける方法を君にとってほしくないって事が言いたいんだよ!!」



「ーーー……それの、何が悪いんだ……。だって……だって、大切なものを守るには、戦わなければ行けない時だってあるじゃねぇーか!!得たえの知らないお前とか!!」



「じゃあ、その方法をして弟が喜ぶと思う?理央くんが弟の立場だったら、どう思うの?」



一瞬ひるんだ顔をした理央くん。



瞳が、震えて曇った。



「僕……そろそろ行くね。理央くんの事は好きだけど……その事に関しては僕許せないから。1人にさせて」


僕は倉庫を後にした。