「それでも、僕は一緒にいたいって言ってるじゃん!!」



「貴方に理央くんは、渡しません!!絶対に!!」




あの日から一ヶ月が経った。



今何があっているのかと言うと、クリスマス会って言う会があるんだ。



文化祭と同じ文面で、お祭りがこの高校にあるみたいで。



体育館で出し物をやるために、僕らは倉庫裏に出向いて材料を運んでいく仕事を頼まれた。




「貴方、クラスの人間から煩わしく思われてるの知ってるの?」




僕はこの一ヶ月、血の滲むような努力を自らやってきた。



授業で発言する時も、手を挙げて答えを言ってみたりーー。



「授業中の受け答え全然答えなんてあってないしーーー」



自分から率先して、掃除当番をやってみたりーー。




「人の仕事を奪って得点稼ぎしようって魂胆だって噂されたりしてるの、知ってます?」



「知らないよ」



「ですよね……やめないんですか?みんな貴方に呆れてますよ?近寄ってほしくないってのもあるですけど……」


「努力していることには、変わりないからきっとみんなよく理解してくれるよ!!あと、君とは離れない!!仲間でしょ?」




「どうゆう魂胆でいってるんですか?」



「僕の堪だよ!!」



メガネ少女霜月真央ちゃんは、ため息をついた。



「君だって、努力してなかったら生徒会長になれなかったんでしょ?同じだよ。努力は報われるんだよ!!」




「私とあなたを一緒にしないでください!!私は……親友の為に動いて、いるんですから!!……今はツキが回ってこなくて、こんな荒れたクラスに配布されてますけど………」




霜月ちゃんは、いじめられて不登校になった友達の為に学校を変えようと自ら生徒会長になった形跡がある。



だけどもこの学校は、地元でもあれていることで有名なヤンキー高校だ。



か弱い少女が学校を変えようとしても現実は厳しいみたいで……。




「お?会長さん不倫か?」




「黙って!!誰がこんな人と付き合わなければいけないの!!違うわ!!」




うざ絡みされているのは、日常茶飯事だ。




「不登校の親友がいじめられていた時に、全然無視してたくせに、今更正義感ぶっても過去の行いは消えないんだぜー?知ってるー?」




眉を痙攣させて、荷物を持った手が力む真央ちゃん。




ーーーそんな事言ったって……いじめられているのが親友だとしても、いじめに立ち向かって助けようなんて、相当勇気がいるから動けないことも間違いじゃないのに……。




真央は、そんな罪悪感ゆえに自分から歩んで進もうとして生徒会長に、なった節があるんだと思う。



それは誰にも何も言われる筋合いはないし、口を咎められることも許されることじゃない。




ちゃんと結果を出して、さらに良く立ち振る舞う姿はとてもかっこいいから。




「君だって、そうやって赤の他人の事情も知らないで口出ししてきている時点で、人のこと言えないんじゃないの?」




「はぁ?どうゆうことだよ?」




ヘラヘラ笑いながら、佇む金髪の不良は蛇みたいに目つきが鋭い。



何故僕は口出しをして、反論しようとしたんだろう。



本当は無視していたほうが、真央ちゃんにとってもーー僕にとっても絶対に平和だったはずなのに。




「例え、もしも相手に非があるからっていじめをしてもいいっていうの?違うでしょ?いじめをしないために、社会は回ってて、みんなに平等に好きな事をして生きて行けるんじゃないの?違う?それにーー真央ちゃんは間違ったことをしたかもしれない……でも、生徒会長になって、結果を出してるんだよ?何もしていない君達より全然凄い人だよ!!」




「おいおい、こいつなんか言ってやがるぞ?二股確定じゃね?みんなこいつやべーぞー!!」



ヤンキーにあっという間に囲まれてしまった僕達。



真央ちゃんの顔つきが、どんどん青ざめてゆく。



僕が巻き込んでしまった故に……。



「そこまでにしてくれねぇーか。面倒くさいことはゴメンなんだよ」




そんな声に反応して、やってきたのはーー。



「理央くん………どうして……僕……」



「どけよ!!」と不良を弾き飛ばして、僕と真央ちゃんの前に立った。