「……どうして、落ち込むの?」



ーーーだって、恩を仇で返すんだもの!!


「仇でなんて、返してないじゃん………」



ーーー私は恋愛向上主義でもあって、実らない恋話は身に応えるの!!



「そんな事情しらないよ!!」




ーーあーあ。せっかくお父さんとお母さんがどうやって、結婚までこぎつけた魔法を教えてやりたかったのに……。




僕はかけけていた毛布の手を止めた。




「今なんて……」




ーーだから、恋愛を実らせた魔法を教えてあげたかったって戯言よ!!




「そんな魔法が?あるの?本当に?」




ーーーまぁ、本人のやる気次第だけど……へっぽこな貴方には出来そうにもないんじゃない?


僕は鍵の目の前に立つ。



そんなふうに言われると、何処か不服だ。



「どうやって、その魔法やるの?」





ーーそうね……ここにいると、誰が聞いている可能性があるから行きましょうあそこに。




「あそこって……禁忌図書館のこと?」




ーーそれ以外どこにあるって言うの?



鍵は背後から、ガサゴソと何かを取り出した。



出てきたのは、一センチぐらいはあろう小さな水晶玉。



ーーーさぁ、行くわよ!!禁忌図書館に連れてって!!



視界は閃光に包まれた。