「………じゃあ、何者なんですか?」



ーー私は貴方の「鍵」……いつも近くにいるじゃない。



ふとペンダントをつまみ出す。




すると淡いピンク色をした、光を宝石中心から放っており部屋全体を優しく包む。




「……鍵が……なんで……?」




ーー私は禁忌図書館の鍵だけど、ちゃんと魔力を携えてる魔法のステッキに近い役割もあるから、話をしたりすることも可能なのよー。




「じゃあ、今まで何で喋らなかったの?」





ーー魔力を禁忌図書館の方から、ケチられて提供されなかったから定休日って感じで冬眠してた時期がおおかったからね。




「じゃあ、あの神々の泉の件は……?」




ーーあれは、貴方が死にそうだったから数少ない力を使って、逃げ場所を提供しただけで……得に意味はないわ☆



なんだろう……この鍵はこんな性格だったのか……。



心の奥底で、どこか落ち込む僕の心なんて知りもしないのだろう。




「そうそう、ところで貴方、恋はしてる?」




「え……恋って、なんで今その話題にーーー」




ーーー恥ずかしがらなくてもいいから、言ってご覧なさいよー。暇で暇で私つまらないのよ?禁忌図書館の本なんて全部読んじゃったし。




「でも……今喋ったばかりの存在と、そんなコアな話はしずらい……な」





苦し紛れに、呟いたら鍵は赤色の光を放ち、湯気のような水蒸気が上がる。



ーー誰があの小学生天使や、大人上級天使から守ってあげたと思ってるの?



大人上級天使……ってーー。




「あのとき、鍵に入れたのは貴方の仕業だったの!?」




ーーそうよ!!あなた私がいなかったら、死んでたのに恩も返してくれないのね!!




「それならそうとちゃんとはじめから言ってよ……。しかたないな………ーーー」





僕ははじめから順に、鍵に話た。




鍵は全てを聴き終えると、虹色の光を放ち楽しそうに宙を軽やかに舞う。




ーーそれって、禁断の恋じゃない!!





「おかげさまで………」



ーーーその恋を実らせたいとは思わないの?




「実らせるってどうやってするの?相手は人間だし同性なんだよ?」




ーーー頼りになる、存在があるじゃない!!




「……まさかだけど、禁忌図書館?」





ーーーーそうよ!!ビンゴー!!




「だ……駄目だよ!!そんな!!私利私欲の為に禁忌図書館を使うなんて……!!」




ーーえー、使えるものは使ったほうが得ってものよ。例えどんな悪いものだったとしてもね。




「僕は、禁忌図書館を守る使命のもと貴方を管理してるの!!駄目なものは駄目!!」





ーーちぇ、ケチね!!




鍵はそっぽを向いて、僕の手から離れしょげてしまう。