それに厚さ一センチはあろう、スクイーズが貼られていると表してもいいくらいに立体的。




つまんでも、引き伸ばしても、破れないその封は半透明でキラキラと光っている。





そんなスクイーズ紛いの、物をもぎ取る。




すると開いた瞬間から、光の粒が舞い上がって、流れ出るように青色の銀河がこぼれだした。




その銀河は、ハート形を作るとスクリーンのように影を落とす。




「君が……有馬かい?」




影を覗き込むが、誰かは分からない。




「………これは、映像?」



「そんな訳ないよ。ちゃんと中継だよ。まぁ……面倒くさくて映像にしたい気分だったけど……仕事しないと天使に怒られちゃうからね……」




もふもふとした、毛並みであろう影が雪崩出てきて思わずのけぞった。




「君は………一体誰なの?僕に……というか、天使に何を吹き込まれてこんな仕打ちを……?」




「君は一体誰なのって?わざわざ姿を現さない影姿で話をしている相手が、正直に教えようと思うかい?君は頭はあまり良くないんだね……。まぁ、いいや。天使に何かを吹き込まれているってわかっているのなら話が早い。単刀直入に言うと、君に学校に行って欲しいんだ」




それはあまりに単刀直入すぎるーーいやそれ以上、前代未聞の回答だった。