僕だって、調べてる。



時々森を抜け出して、その先にある小さな田舎町の本屋に駆け込んで、天界の子供達はどんな生活をしているのかってのをちゃんと知ってる。


だけどどれも手に入りそうな条件を持ち合わせておらず、国が定める制度に手を出せずじまい。


生活保護なんて、天界の住人と地獄の住人しか使えない。



元々天界に住んでいる住人表ってのはあったけれど、この森に住んでからは「死亡」したことになっているからもう住人では無いのだ。


住人表を取ろうとしても、僕みたいな子供相手にしてくれないしーー今度の今度こそ蛇だってバレて殺されてしまうかもしれない。




あの上級天使にはもう二度と会いたくないし……。


それに爺さんのことを調べてもいるけれど、相手はリスだからそもそも医療の対処は当てにならない。




天界の住人や地獄の住人の身体つきや、脳の作り向けに書かれている医療本なんて頼りにならないのだ。




ーー相手はリスなのに、どうやってこの量の薬を飲ませればいいの?




そんな疑問が頭をよぎるだけで、何も解決しないっていう悲惨な状況。



「行き詰まったときって、どうすればいいのかな?爺さん………」



トーストを食べ終わり、食器を片付けようとした頃。



ふと悲しさが込み上げ、涙がこぼれてしまった矢先ふとそんな言葉が口先から流れ出た。




「そんなに深く考えないことじゃな………」




ーー爺さんが先に言ってきたのに……。




何も解決しない空回りの答えは、僕の心にとどまることはなく空中に溶けて消えた。





これからどうなるんだろう………。