超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 樹くんが加勢してくれたので、楓くんは「勝手にしろ」と小声で言ったあと、

「じゃあ、アニキが先頭に立つんだな?」

 と確認してきた。

「ああ、おまえは車道側だ。理子にあわせて歩くんだ」

「言われなくたってそうするって」

 樹くんも楓くんも目と目をあわせて、まるで、おたがいの考えを探りあっているみたい。

 ふたりを取りまく空気がピリピリとしているような気がしたんだ。

 こんな些細なことで……?

 ううん、そうじゃない。ふたりにとっては大変なことだ。

 自分が自分じゃないだもん。

 自分としてふるまえないんだもん。

 すごく、きゅうくつな思いをするだろうな。

 だから、少しでも……。

 わたしはふたりにニコッと笑いかけた。

「楓くん、いつもどおり楓くんが先頭を歩いて。わたしの考えすぎってこともあるし。できるだけ無理するのはやめようよ」

 ふたりは同時にわたしを見た。