超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 えーと、言っておくことはもうなかったかな?

 忘れものがないか考えをめぐらせていたら。

「……理子、おまえ、おれにケンカ売ってんのか? さりげなく悪口をはさんできて」

 楓くんが、じとっとした目でわたしをにらんでいる!

 ギクッ。

「あ、えっと、そういうつもりじゃ……ないんだけど……そう聞こえた?」

 わたしはあからさまにうろたえて、それを声に乗せてしまう。

「おう、聞こえた」

 キッパリと肯定した楓くん。

「ご、ゴメン……」

 わたしは、指をもじもじさせながらあやまった。

「せめて、どっちかと同じクラスだったらよかったな。こんなにやきもきしないで済むのに……」

 はあー、と長いため息もでてしまう。

 すると、樹くんがやさしくほほ笑んだ。

「なるようにしかならないんだから、アレコレ考えたってしかたないよ。理子が僕たちの心配をしてくれるのはうれしいけどね」