「朝ごはん六杯もおかわりしただろ? まったく、ブラックボールみたいな胃袋だな」
すかさず樹くんのツッコミが入った。
「うっせーな。怒るとハラがへるんだよ。しょうがねーだろ」
「食べすぎは、からだによくないぞ」
ふたりが言いあっているそばで、わたしは思わず想像してしまった。
「ごはん六杯、ブラックホールみたいな胃袋……?」
ブラックホールのおなかに、卵焼きやウインナーをポイポイ投げ込む楓くん……!
「ぶっ……!」
「理子?」
「笑ったな~!」
樹くんと楓くんが同時に真っ赤な顔になった。
そんな息がピッタリなふたりのようすもおかしくて、わたしはおなかを抱えた。
「ご、ゴメン! でも、六杯って…ブラックホールって……!」
ダメだあ、おなかが苦しい!
思いっきりゲラゲラ笑っちゃった。
そのうち樹くんと楓くんも笑いだす。
わたしたちの一日は、今日もこんなふうにはじまった。
