超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 え、え、え?

「どういうこと?」

 ふたりの顔を見くらべて言ったら。

 楓くんはニヤッと笑った。

「冗談だ、本気にするんじゃねーって」

 気づくと、樹くんも苦笑いをしている。

 やられた!

 わたしは抱えていたクッションを楓くんに投げつけた。

 余裕で、ひょいと首の動きだけで避けた楓くん。

「楓くんのバカ! 樹くんの顔で冗談なんか言わないでよっ」

 腹をたてながらも、心の中ではちがうことを思っていた。

 本当はわかっているよ。

 冗談でも言わないと、やってられない状況だからだよね。

 樹くんも楓くんも、日常を取りもどそうとしているだけ。

 そんなふたりにわたしも応えるんだ。

 できるだけ以前と同じようにしよう。

「そういえば、ひとつ、問題があるんだった」

 楓くんは話を進めた。

「おれが樹になっちまった以上、理子とつきあうのはおれってことになるのか?」