超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 キスをされそうだったことにもおどろいたけど、それ以上におどろいたのは、樹くんがまるで別人のようだったことだ。

 低い笑い声が病室にひびく。

「はあー、ミスった!」

 ベッドの上で身をよじらせて笑いつづける樹くん。

 うそ、どうなっているの?

 例えようもない、妙な胸騒ぎがして。

 わたしは、これ以上何も言えなくなってしまった。

 やがて樹くんは笑うのをやめて、身を起こした。

「もしこのままキスしていたら、この場合、おれと樹、どっちとキスしたことになるんだろうな? なあ、理子」

 ニヤッと意地悪な笑みを浮かべる。

 そして、衝撃的な言葉を口にした。



「おれは楓。アニキと中身が入れかわったんだよ」