だれか助けてー!
脳内の自分が助けを求めてさけんだときだ。
上半身がぐらっとかたむく。
気づいたら、わたしは樹くんの胸の中にいた。
「理子」
樹くんの手がのびてきて、わたしの額にふれた。
そのまんま、見つめあって。
「それを知りたいなら、カンタンにわかる方法がある。今すぐ教えてやるよ」
樹くんの手のひらがスーッと左側の頬におりてきて、アゴのところでピタッと止まったんだ。
「キスしていい?」
えっ、えっ、えっ!
思わずぎょっとして固まっていたら。
わたしの頭をポンポンとたたいて、樹くんはフッとほほ笑む。
「くくっ、すげー顔!」
樹くんはわたしを離し、からだを折りまげてゲラゲラ笑いだした。
「キスしてやろうと思ったのに、おまえ、ヘンな顔してるからっ!」
わたしはポカンと樹くんを見あげた。
「樹くん、何を言ってるの……?」
