そのとき、やっとわかった。
告白の返事を遠回しにさいそくしているんだ。
「う、うん……」
わたしはためらいながらもベッドに近づき、丸イスに腰を下ろす。
【大事なことだから、ゆっくり考えてから返事をしたほうがいいよ。樹くんなら、きっと待ってくれるって】
優雨ちゃんの言葉を思いだし、ちゃんと言わなくちゃと決心した。
「あのね、樹くん」
少しのあいだも置かずに、わたしは話を切りだした。
「告白の返事なんだけど……う、うれしかったんだけど……わたし、自分の気持ちがきちんと、わ、わからなくて……」
「うれしいのにわからない、ってどういう意味?」
樹くんが鼻先で笑った。
「………………!」
頭がかあっとなった。
わたしって、説明するのがなんてヘタなんだろう。
もっとよく考えてから話せばよかった。
