「告白されたときと比べて、どっちがびっくりした?」
「えっ?」
その質問に違和感を覚えた。
「あの、樹くん……?」
樹くんの口の端が上がっていた。
少しのびた前髪のあいだから、ジッとわたしを見つめる、その瞳。
「告白されたときうれしかった? それとも、僕と会えた今のほうがうれしい?」
わたしは急にその目から逃れたい気分になってしまった。
おかしいな、会えてうれしいのに……。
樹くん、こんな表情をしていたっけ。
自分がまるでウサギかなんか小動物になったような気がした。
どうして、こんな気持ちになるの……?
気恥ずかしさが先にたって、これ以上は目をあわせていられない。
「そんな……言わないとダメ……?」
手をモジモジさせつつ、やっとの思いでそう言うと。
「理子、ここにおいで」
樹くんは、枕元の近くに置いてあった丸イスに目を向ける。
