超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 すると、美代子おばさんは、わたしの手から花びんをとりあげた。

「理子ちゃん、ふたりに会ってやってくれる?」

「い、いいんですか?」

 会えるなら、すぐに会いたい!

「でも……」

 樹くんには、告白の返事をちゃんとしていないまま。

 楓くんともケンカ別れしたままだ。

 それが、ふたりに会いたい気持ちにブレーキをかけて、わたしをためらわせた。

 美代子おばさんの目には、わたしが遠慮しているように見えたんだろうな。

「お医者さまも、もうだいじょうぶ、ですって。このあとは検査して問題がなければ、退院できるって言われたの。ふたりも理子ちゃんの顔を見たら、きっとよろこぶわ」

 美代子おばさんの気持ちが痛いくらいわかった。

 樹くんと楓くんを元気づけてほしいんだ。

 わたしだって。

 自分にできることなら、なんでもやってあげたい。

 その気持ちに変わりはない。