超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 美代子おばさんは、涙をポロポロこぼしながら「ええ」とうなずいたんだ。

「それもほとんど同時みたいなの。ついさっき、楓がムクッと起きて『お母さん、おなかへったよ』って……。そうしたら、樹を見ていてくれた看護師さんから、樹も目を覚ましたって知らせが来てね」

 樹くん、楓くん……!

 うれしい衝動が、わたしを強く揺さぶった。

 左右、両方の目が熱い。

「うん、うん……」

 あいづちを打ちながら、目にたまった涙を何度も指でこする。

「いくらふたごだからって、目が覚めるのも同時なんて。フフッ、おかしいわね」

 美代子おばさんは、うれしそうに笑った。声もはずんでいる。

 わたしも泣きながら笑った。

 今は見えない、空の星たちに感謝した。

 ありがとう、織り姫さま、彦星さま。

 こんなにはやく、わたしのねがいを聞きとどけてくれて……!