超イケメンなふたごくんは、幼なじみを独占したい 【旧タイトル】ハツコイの誕生日(バースデイ)


 そのなかには、わたしと直接話したことがない、面識のないひともいた。みんな、ふたりを思って涙ぐんでいる。

 みんなと話しているうちに、わたしも泣けてきた。

 何度ハンカチで涙をおさえながら、トイレに飛びこんだだろう。

「理子ちゃん、だいじょうぶ? ガマンしなくていいからね。泣いちゃったほうが気分よくなるよ」

 そのたびに優雨ちゃんが、わたしの背中をさすってくれた。

 わたしは泣きながら祈った。



 おねがいです、神さま。

 ふたりを助けてください。

 わたしの大切な幼なじみを帰してください。



      *



 どうしてこんなことになってしまったんだろう……。

 このまま元気なふたりに会えないの?

 寝ても覚めても考えるのは、樹くんと楓くんのことばかり。

 毎日、学校にいても気が気じゃなかった。