「わっ、わたしも信じます!」
だから、樹くん、楓くん。
おねがい、はやく目を覚まして…………。
けれど、それからもずっと、ふたりは眠ったまま。
歩道橋の階段を上から落ちた割には、さいわいふたりとも大きなケガではない。
美代子おばさんとお母さんとともに、お医者さまからそう説明を受けたのに……。
警察のひとからの話によると、事故は歯医者へ行く途中でのできごとだったらしい。
もみあったふたりが落ちるところを目撃したひとが見つかったんだ。
ふたりがきょうだいということもあって、事件性もなく、事故として処理されることになった。そして、ふたりの事故のうわさは、あっというまに学校中に広まった。
「間宮さん、野々村くんたちどうなってるの?」
「入院してるってホント!?」
「お見舞いにいっていい?」
お断りするのが大変なくらい、わたしのところに女の子たちが毎日つめかけてきた。
