「お母さん、わたしも病院に行く! 何かいるものがあったら教えて! すぐに用意して持っていくから!」
そうしたら、お母さんのホッとしたような息づかいが伝わってきた。
「じゃあ、病院の前のコンビニで、おにぎりとかサンドウィッチとか、なんか食べやすいものを買ってきてくれる? 食欲がないかもしれないけど、美代子さんに食べてもらいたいの。あとね、うちのお父さんにも連絡してちょうだい」
「うん、うん、わかった。おにぎりとかサンドウィッチとかだね。あと、飲み物もいっしょに買ってくるね」
返事をしながら、念のためにメモをとる。
まずお父さんに連絡してから、わたしはコンビニへと走った。
*
ふたりは、それぞれ別々の個室に入れられていた。
ベッドの上で、こんこんと眠りつづける樹くんと楓くん。
青白い顔をして、まぶたを固く閉じている。
