美代子さんとは、樹くんと楓くんのお母さんだ。お父さんは九州に単身赴任中。飛行機で来るにしても時間がかかる。
どうしよう、どうしよう!
樹くんと楓くんが……!
わたし、いったいどうしたら――。
そのとき、楓くんに言われた言葉が頭に響いた。
『あきらめないで、やれるだけのことはがんばってやってみるんだ、いいな?』
そうだ、やれるだけのことはやってみるんだ。
わたしだけじゃない。つい昔のくちぐせがでるほど、お母さんも混乱している。
美代子おばさんだって、どんなに心細いだろう。
ふるえている場合じゃないよ。
ともかく今は、ふたりのために動くんだ。
樹くんに告白されたり。
楓くんにキスされそうになったり。
急にいろんなことが起きたけれど。
それでもやっぱり、ふたりとも大切な幼なじみだもの……!
